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大森 俊造
産業と電気, (629), p.1 - 2, 2005/02
JT-60プラズマ実験においてはパルス的に大電力を使うため、商用幹線に電圧及び周波数変動の影響を与えないようにシステムに工夫が施されている。大きいはずみ車効果を有する縦軸型電動発電機に回転エネルギ-を蓄え、それを利用して発電する。その電力は変圧器により降圧しサイリスタ変換器またはダイオ-ド整流器により直流に変換してJT-60トロイダル磁場コイル,ポロイダル磁場コイルへ大電流を給電し、プラズマの発生・維持,形状制御を行っている。プラズマ加熱装置へは交流を給電している。このような電源システムの運転保守に従事してまた著者にとって、特に電気保安上の貢献が大きかったものは、以下の通りである。(1)電動発電機細密点検,(2)電動発電機セルビウス装置絶縁劣化対策,(3)電動発電機の中性点接地抵器の加熱現象の対策、以上の経験を総括して電気を取り扱う関係者に役立つ情報を紹介する。
大森 俊造; 日下 誠*
技術研究会報告 (文部省国立天文台・電気通信大学), p.111 - 114, 1997/03
加熱用電動発電機の加速制御には、セルビウス装置が使用されている。セルビウス装置の電気絶縁材は、FRPが使用されている。平成2年にセルビウス装置の点検を行ったところ、絶縁抵抗が0.4M(湿度91%)と低かった。原因は塩害であり、対策としてリアクトル冷却ファンの直接屋外吸気をやめて屋内吸気方式に改造した。しかし、その後も絶縁抵抗が低下し続け、平成6年に0.8Mと管理目標値の1Mを下回った。そのため、FRPの表面汚染物質の光電子分光分析を行った。その結果、CaCl、CaNO、CaSOが検出された。このことからFRPに添加されているカルシウムと空気中の酸性物質とが反応して、これらの吸湿性化合物が生成され、高湿度時に絶縁が劣化することが判明した。また環境分析により酸性物質の発生源も確認した。対策として、カルシウムの含まないポリエステル系のFRP絶縁材に更新した。